残ったのは私達だけだ。
ロナウドの犠牲は大きかったが、彼は我々の望み通りの場所で命を絶たれた。
「道」は切り拓けたのだ。
「天寿の儀」の魔力は、火柱のようにこの国を駆け抜けるだろう。
彼女は、分かっていてそうしたのだろうか。それを思い図るには、私達の力はあまりにも脆弱だ。
私達は、唯、遂行するしかない。
この国を覆っている残虐を、覆すのだ。
魔力を持った者が、圧政に対して牙をむいたとき、どのようなことが起こるのか。
それを知らしめるためだけに、私達の命はある。
全てを滅ぼす理由には、私達の意思はなんとも陳腐なものだろう。
「狩り」で奪われたものは、何をしようと二度と帰ってこない。
だが、報復もせずに黙して逃げ回るだけが、私達の能ではない。
デュルエーナと言うこの国に、一矢報いるため、私達は奪い返すのだ。
その命を。