001 「銀色」

夜の雨が滴る傘を

片手に急ぐ12月

墨の雲に呑まれた楕円の月が

ギラリと宵闇に溶け込んだ


金属でできたダミーにも

芽生えるだろうか

心とか 命とか 魂は


窓の外の雨のように

洗われた時間に濯がれて

月を覆う雲は風に 流されてギラリ

楕円の月に照らされ光る


金属でできたダミーには

作り出せない

心とか 命とか 魂は


窓の外の雨の中に

洗われた酸素に濯がれて

月を覆う雲は波に 揺られてゆくから

楕円の月に照らされ光る


夜のゆりかご 不思議な風は

やむことなく 僕を連れてゆく

とても穏やかな 美しい未来


安らぎを求めて 描かれる音色を求めて

ゆりかごに揺られるような

穏やかな時を求めて

集う人々の友愛を見て

また少し笑いかたを覚える