010 「残照」

空白の空に描いてみた絵は

溶けて朽ち果て泡のように逃げてしまうけど

手の中には雫が残るから

ほうき星の燃える夕暮れを見つめた


旋律は月のように形を変えて

満ちては欠けて 絶え間なく光を刻む

振り子が軋む時計の中に

隠れていた最後の子を見つける


囁いた暗号を打ち込めば崩壊

金属の街は樹海を得る事無く

砕けた星の粒が視界を覆って

降り注ぐ海に僕に砂に


星の混じる砂浜で

月の子は見つめてる

残照が消えるまで

消えるまで