物語を共有することで一種の安心を得るのだと
何処かの学者の書いた本に載っていた
たぶんそれはひどく単純で確かなことだろう
それが信仰と言うものの発端なのだ
迫害されたと嘆くものは さらなる犠牲を求める
知識あるものを恐れ 少なきものを挫き
信義に背くことすら 正義と呼ぶだろう
羊を名乗りながら 肉を焼くことを喜ぶ
それらも全て童話の一節
通り過ぎた過去なのだと
言いながら何故 悪意は姿を消さないのだろう
世界は完璧では無い
完璧な存在が創り出したと言われているのに
彼等が存在する前からリリス達は楽園にいた
悪意は常に先に住んで居る
ならば必要なのは 悪意に殺されぬための力
連鎖を生む殺意の雨が
止む日は来るのだろうか
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