114 「皇帝」

感情が無くなった人間が

沈黙と言う鎧を着せられて

老いる者の願いがかなわないことを

黙って心臓に植え付けていたって

分かってる?


結局は利用価値しか望まれてない

そのことに気づいてはいたけど

命の短い者の夢 壊すのはその命が尽きた後で


十分でしょう?


死ぬのを待っていたのは 本当の事

いつかいなくなると思ってるから

それまで黙って待っていたけど

笑うこともわがままなのなら

それはもう人間ではないでしょう


思い通りになるだけの

お人形が理想で

その人形が思い通りに動かなくなったら

故障したって言って作り替えようとする


支配者を気取るのなら

その死を待たれることも覚悟せよ

その時が訪れたら

薄く微笑まれることを