124 「静寂」

飽和する水の中 天涯に届く雲

叫んでいる惑星が 氷に閉ざされて


創造することも破壊することもない

沈黙する星と思われている

その氷の底に何億年前の瓦礫を閉じ込め

宙を超え叫んでいても


その声は届かない


霞のかかる月が空にガラスをはる季節

叫んでいる衛星が 電波を発しながら

「セキュリティコードを入力して下さい」

エネルギーが尽きるまで それだけを繰り返す


届くところに居たとしても

壊れているだけと打ち捨てられて