126 「心音」

電気的な音階は科学的に整えられて

赤い一つ星を落下させる 永久に辿り着かない彼方へ

燃え尽きるか否か 大気を持つ星に呑み込まれて永劫

進化論が否定されるときに 新しい何かが生まれる

それを異端と呼ぶなら 神はいないと言った科学者も

弔いの言葉など期待していないだろう


動かなくなる体 何度祈ったとしても

呼吸器を外せる日は

二度とこないのだから

それを幸と呼ぶか不幸と呼ぶかは

他人の決めることじゃない


電気的な音階が化学的に整えられた

心音を刻む限り