132 「ヴィジョン」

手傷からざらざらと砂のように崩れる

日射しに焼かれたパンパネラ

遠き日々は積もるほど

涙など忘れるほど


永遠の少女は大人になれる日に憧れていたね


月夜はひどく陰惨で

銀色の髪を切り取った

静けさは一滴

鋏の閉じる音だけ響かせた


銀塊から作られたコインは

説明不足の言い訳のようだ


断ち切られた螺旋が

ひゅうひゅうと鳴る

北風を連れて去った