134 「ルービック」

ルービックキューブの一面は作れても

残りの5方向 ぐちゃぐちゃのままだ


混乱と冷静と多面の一方向

静けさに呼びかけるカラスの声も

窓ガラスに割れた花瓶を叩きつけて

笑っている彼女は頬を切り裂いた


水の無い海に咲いた珊瑚礁

機械仕掛けの眠り姫

月の裏側はボロボロだ

数多幾多の傷を受けて


深呼吸をして 少し前を見て

乾かない大地を 踏みしめて歩く


傷など恐れない 死をも凌駕する

世界の果ては 背中合わせなんだ

それなら 気に入る場所まで

探しに行こう 青いアゲハ蝶を

彼方へ続く舟と同じ色した