135 「蝶々」

スライドショーのお時間です

ランプが点滅を始めます

3 2 1でモノクロームになったら

語り手が雪崩れるような言葉で話始める

精巧なガラス細工について


春めくような日に羽化した

煩う蝶は羽をちらつかせて

花を探しても誰もいない

これから眠りに就くんだもの


沈んでしまった太陽を

想って光に集まる聖者

星の光が語っていると

夢を思う者は騙っている


選んだルートが忙しすぎて

選んだミュートが騒がしすぎて

選んだゴートにショット打たれて

結局お祭り騒ぎなだけさ


地下シェルターが閉鎖しました

半減期まで鍵がかけられ

誰かが生還するはずだと

祈られてるけどたぶんそれは

秋の終わりに羽化した蝶なんだ