143 「うさぎさんのおみみ」

うさぎさんはあるひ おみみがなんだかこそばゆいとおもいました

いくらみみをかいてもかいてもこそばゆいので きっとみみがはえかわるんだわとおもいました

あるひ うさぎさんはおみみがすぽんととれてしまいました

ああ やっぱりおみみがはえかわるんだわとおもいました


ところが いつまでたってもあたらしいおみみははえてきません


なにがわるいのかしら? おみみのもとがいるのかしら?

うさぎさんはこまりはてて もりのおくにすんでいるまじょのところにそうだんにいきました

「おみみがいつまでたってもはえてこないんです」

そういうと まじょは「しかのつのははるにはえてくるんだよ」とこたえました

うさぎさんは わたしはしかではないのだけれど とおもったけど「そうですか ありがとうございました」といってかえることにしました

うさぎさんはふゆのあいだ おみみがないのでとってもふあんでした

どこからてんてきがねらってくるかわからないので ずっときのねのしたのおうちのなかにかくれていました


ずーっとずーっとさむいひがつづきました

うさぎさんは ほんとうにおみみがはえてくるのだろうかと ふあんでふあんでしかたありませんでした

そのひもさむいひでした

でも めずらしく あめがふっていました

ひょっこりそとをのぞくと うさぎさんのおみみのあとにあめのしずくがぽつぽつとしたたりました

そのとたん ぴょこんと5センチくらいのおみみがはえてきました

「あ! おみみがはえた!」とびっくりしたうさぎさんが おみみをねぐらのなかにひっこめようとすると

また ぽつりぽつりとあめがおみみにしたたりました。

すると ぴょこんぴょこんとおみみはながくなりました。


うさぎさんはうれしくなって あめのなかにとびだしました

すっかりりっぱにはえかわったおみみをふさふさいわせながら うさぎざんはあめのなかをぴょっこりぴょっこりはしりまわりましたとさ