015 「テラ」

真紅の闇に光る星明り

どれほどの旅をして

今 この目に届いたのか

どれほどの旅をして

あの彼方の空に届くのか


この世界は生まれたばかりで

この世界は朽ち行くばかりで

この世界は光に包まれ

この世界は闇を包んでる


あの光は留まる事もなく走って行くのに

僕はずいぶん立ち止まってばかり

まだ走れるはずでしょう?

真っ白な光と真っ暗な闇と

瞬きする間に変わって行く景色が「急げ」と騒ぐ


ある日選んだ覚悟は今も

この心臓を動かしている


この世界はまだ新しくて

この世界はまだ美しくて

この世界もいずれ無くなる

だけどそれが全てじゃない


やがて空から失われて行く粒子

星々すらも手を放す時が訪れ

この惑星は本当の眠りに就くんだ

それまでの旅でどんな景色が

この惑星を彩るのか

それを見る事が出来ないのが

ほんの少しの心残り