低く飛んでいた 秋に羽化した蝶々
命いくばくもなく 出会うものにも巡り合えず
秋の花を伝いながら 小さく舞っているんだ
やがて尽き果てる 歳月の中で
手の中に閉ざした蛍 今は飛んで行け
澄んだ水の無いところに お前たちの居場所はない
潤す水の無いところに 彼等は生きていて
だけど 悲しいだけじゃないのを 僕は知っていて
強くあろうとする 命の閃きが この星で輝いている
瞳しか見えない花嫁 その目に彼は心を寄せたんだ
あの日に放った蛍は ほうき星になって還ってきて
一輪空に咲いたような 真っ青な光を輝かせていた
あなたの受け継いだ 黒曜のような宙の中で
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