158 「ヴィシュヌ」

ひどくシンプルな意見です

彼女は自分の生きる理由を

否定されて最期を選びました

心を誰かに預けることは

ひどく危険な事なのです

裏切り 幻滅 失望 不審

途切れてしまう糸なのです

それはとても簡単に


占領区を奪った罪と言った

陪審員達はみんな白い肌をしていて

貫けなかった意志を

祈ってくれたのはヴィシュヌを信じる人達でした


かつての戦友に「申し訳ない」なんて言って

片手を差し出す人が居る おかしな国の生き物ですが

どうにか 今日も 生き延びました

明日も 明後日も 十年後も きっとこんなおかしな話を

書き綴っているでしょう

僕の見たカレイドスコープは

一瞬しか見れない花園を ずっと描き続けていましたと