160 「太陽の心臓」

雲を透かす月の灯を

見上げる氷点下の夜

心が脳にあるのなら

魂は心臓にある


温かいだけの陽射しと

焼けるような熱線は

わずかな距離の差で起こる

慈悲と残酷で


太陽の心臓

触れれば熱と化して

月は穏やかに

眺めているだろう


消えて逝く夢を

消えて逝く祈りを

消えて逝く影を

消えて逝く僕を