161 「終息」

凍ったみちづき 宵闇の雲

展開する 物語を 待っている リリパット

笛の音は弾むように 空気を叩く

小夜曲に鳴き声は 要らない


共鳴 神明 雷神と全ての陰陽にかけて

咲く花を手折るような 愚を極めることはない

触れられぬ 影を追って 迷い込む樹海に

空を仰げど星も無く 見えぬ目を凝らす闇の底

天球が奏でる 最果ての物語 いづこにあるのか

道は知れない


金塊の王冠と金剛石のひとつに

魔力があると言うなら

異論を唱える物を全てひれ伏させて

それでもまだ遊楽に足りぬと言う

死神と戯れる まるで気の触れたような

終息

天秤にかける価値もない心臓