167 「炭素」

邪悪と妖精 運命と神々

空の底はひどく深くて浅い

何色の絵の具でも

私を染められはしない

真雪の歌がホッキョクグマの

透き通った毛色を映す

泥も洗えば浄められるのだろう

朽ちた土の底をえぐり取る者達


光らない星に自分に似た誰かと

同じ奇跡みたいな存在を問う


雪風海 冷たいアスファルトに

女神の涙は 届く前に凍り付く

ザクザクと掻き分けた真珠

あまりすぎて無価値な真実

0.1℃温度が上がれば

溶けだすのかもしれないとしても

人工石のダイヤモンドは

鉛筆と同じ炭素だ