177 「旋律」

ひどく晴れた穏やかな日に

ずっと月を探しているのに

真白な霧はキラキラしながら

あたしの知らない言葉でしゃべってる


地の底へ天使が刃を向けている

天地神明にかけて何を選ぶ?

水泥の血液に彷徨う傍観者

心つぶした感覚のない人形


檻の中 望まれていた沈黙を

吐き出していた 美しい世界に

要らないものだらけだ

何が世界を動かした?

時が経過するのを ただ待っていただけなんだ

過去に縛り付ける者達が 消えてしまうまで


流転するのなら あたしにも来るだろう

死を待たれるときが


憎悪と嫌悪と嘲笑と微笑

人形は歌っちゃいけない

だけど この声は 今 旋律をなぞる

不完全に焼け爛れた月の顔に

永続的な鼓動を鳴らして