180 「頭上の罠」

頭の上に爆弾がある

誰にも教えられないけど

そこには確かに爆弾がある

子供達は楽しそうに走ってる


朽ち果てた体には未練はないけど

頭の上にある爆弾を

誰かに教えなくちゃって

ずっともがいていた


それは貧しい一家だった

戦争が終わって爆弾は除去されて

幸せな未来が訪れるはずだった

お父さんはトラクターを買った


子供達が毎日走っていた野原を耕すため

お父さんはトラクターを走らせた

僕の頭の上を通って

炸裂した地雷がトラクターを吹き飛ばした

お父さんは両足を失った

僕は伝えることが出来なかった

戦車用の特別な爆弾が

僕の頭の上にあったと