002 「デイジー」

金属の羽を持つ天使が

朽ちた花束を抱えて飛び立つ


夕映えの包み込む花畑


静かに瞼を閉じる 息をするもの全て


芽吹く雛菊達に哀悼を

光を風を安らかな眠りを


捧げるもののために手折られるならば

それは贄と同じでしょう


花畑に埋もれた 少女の吐息は絶えて間もなく

胸の前に組んだ手の中に

一輪雛菊 連れてゆくのはそればかり


悲鳴を上げない命は涙も流さないから

その時は 大地の深くに埋めてあげる