021 「瞬き」

揺らぐ大気 エナメルのような朝陽がそよぐ

ぬるい日射しは吐息を凍らせることも忘れて

なんだろう 不思議と 流動的な季節が

緩やかに流れて行くんだ


絹糸 紡ぐような 引き換えの命と

代価は魂を数えるためのものじゃないから


消滅して行くのは 地球じゃなくて

滅んで行くのは 世界じゃなくて

過ぎ去った時間と独り言


劣化する銀色が手の平から零れ落ちる


瞬きながら消える街灯

シャランと鳴って消える白銀

  

やがては そんな時も消滅して

紡いだ言葉も忘れ去られる

 

僕はどうやら 笑っていられるようだ