031 「風に揺れる日」

風に揺れてる 雲を見上げて

小枝の歌う 響きを耳に


いつもそっと隣に居る

緑の手の平揺らして踊る


願いも祈りもありはしない

唯優しい木陰を歩く


随分と理想的な綿雲が

青空に浮かんでいただけで

 

満たされる心を「恵み」と呼ぶなら

ずいぶん僕は恵まれているらしい


月に呼ばれた海が満ちる時

水底の貝殻が真珠を吐き出す


銀色の星々が降り注ぐように

この惑星を横切ってゆく


それはまるで光の雨のようだと

誰かの語る天空を描く


一人になりたい時もあるさ

そんな時にも 隣を見れば

小さな草花が芽吹いてる


 

ずいぶんお節介な風が吹いて

もうすぐ夏を運んでくる