040 「声」

儚さなんて似合わない言葉を使わない

力強く生きて眠りについた命に


灰にまみれてる者には伝わらないのだろう

この惑星が生み出した数多の命の響きなど

その一つの琴線が消滅するときは

唯重さがあるかないかの出来事で


死を待って生まれて来るものなど

何処にも居ないのに


どうにも軽くタナトスに浸る

そんな生き物に贈る涙など

最初から用意されてない


儚さなんて似合わない言葉は閉ざして

雲まで届けと放った光をつかむように

選び出した声は

空気を揺らし その手元まで