045 「道化」

だけども それでも

嘲って いるのだろ

だけども それでも

祈ってはいないのさ


たやすく死んでしまえなど

苦痛の中で生きれば良い

悔いる事は無い 許しはしないから

悔いたところで 許しはしないから


理解はできないだろう

その必要もないだろう

盗み取った糧で得たものは

随分と立派な肩書のようだ


理解はできないだろう

その必要はないのだから

唯覚えていてさしあげよう

その顔に塗りたくられた罪と咎を


知らないふりをしてあげても

どうにもお気に召さないようで

笑うための道化が必要と

王は御所望なのだから


道化がなんと唱えたところで

嘲られるのは分かっているさ

ひとつ願いがかなったね王様

最下層には成らずに済んだろ


なんにも知らないふりをして

道化は今日もはしゃいでいる

鉛のような眼の中に

空っぽの玉座を映しながら