005 「水星」

悲劇と喜劇は同じもので

水の星と呼ばれながら

焼けついた大地をさらしている


星の数だけ

異なる世界があると言うのに

見渡せる目を失ったのは

いつの頃のことだろうね

 

そしてこれからも

失われた眼は

戻っては来ないのでしょうね


自ら選んだ刃で

傷ついていると悲鳴を上げても

誰も救えはしないのに

自ら選んだ刃を

振りかざして望むものは道連れ


弱さを盾に情にすがるのが

君の生きる術なのか

 

怒り嘆き喚き泣くのが

君の生きる術なのか

  

君を救う言葉は もう思い浮かばなくて

君を助ける意味すら もう存在しなくて

君は籠の中で ずっと泣いていれば良い

自分で作った針金の城で

ずっと泣いていれば良い

それが君の選んだ道で

君が救わなくても 世界は変わって行くからさ

 
 

自分だけが正しく無きゃ 気がすまないマーキュリー


悲劇と喜劇は同じもので

水の星と呼ばれながら

焼けついた大地には

一滴の雫も無いのに

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