052 「カーニヴァル」

霞む夕暮れと目を醒ます夜と

凍りついた雨が降る 潤すものの無い大地

密度は飽和して はじけた街灯り

焼けた網膜に崩れた星 点々


火の粉を躍らせて

カーニヴァルが始まる

舞えよ踊れよ 赤い精霊

炎は街を呑みこんでく


ビースト バード Fates の神々

切り刻まれる 糸くずの中へと

フォリング ダウンズ 零時のタウン

捕まる前に Hurry up Run away


吐いた言葉 前例のない病

散文めいて 意味を含まない

その両手の間にはあるのか

一抹の安息と 永劫なる怪奇が

焼き尽くしたのは定理

最初と最後を記すかのような

呪文めいた言葉を連ねる


カーニヴァルは通り過ぎて

焼けただれた街の中

「無残なものだね」と囁くクラウン

笛を吹きながら煙をくぐって

生き延びた者達に幸福を告げにゆく