059 「水底」


魂が願ってる 穏やかな安息を


目を閉じてしまえば 何も見えない

鍵をかけた部屋で 睡眠薬を飲んで


耳の中うるさい残骸を 葬るの


失われた欠片は 海の中に沈み込んだ

誰も知らない誰も知らないダレモシラナイ


透き通った翡翠のような


澄み切った空気のような


割れたガラスが切り裂くような


氷柱で胸を突き刺すような


深い 深い 深い 深い


それは月の揺れる水の底