073 「天々」

疑心暗鬼は内臓をえぐり取り

放り出す永続的な既視感

スカーレットがよく似合う肺臓

透き通ったナイフが残酷を刻むよ


罪悪と嫌悪 罵声と惰性は聞き飽きた

水に溶かした 氷とアクリル

散弾的な魔術で願望的な話術で

酩酊は行方をも不明


伝えたところで理解は不可能

変化と変化が自由と自在


疑問文には七色つける

折りたたんだら始末をつける


収束してゆく光の焦点

記憶は途切れがちな点々

別に要らない粗雑な接点

少しのナーバスそいつが欠点


次の記録を判別つける

奇怪と不気味は距離感つける

摩耗と魔性は不思議と似てる

天国地獄この世における


疑問文には八色をつける

折りたたんだら始末をつける


空中浮遊に似ている濁点

欠損多いけれども融点

テレパシーでも届けば満天

その必要もないけど逆転