075 「硝子真珠」

論じる意味も無いんだよ


割れたガラスを組み立ててる

指を切るだけの価値も無いのに

虹色を纏う真珠になんの願いを想う

散る花は泣かない


風が凪いだ 星の海 泳ぐ夜は

ソリストが独り 宙を仰ぐ


待っているの 待っているの

最後の一輪が 散りばめられるのを


全部が静かに 幕を下ろすのを


砕けたガラスは組み立てられない

だけれどまだ諦めてはいない

分解された光の焦点を見つけろと

散る花に叫ぶ


絶対的な強さが 必要なんだって

言葉にしても 低価格で高尚な雑音


響いている 波の 打ち寄せる 河畔が

科学者達を悩ませているんだって

吐いて捨てれば雑然


蜃気楼に浮かんだ街に

新しい世界を思い描く

虹色を纏う真珠に映し出されるのは

鮮やかに彩られた光の海


風が凪いだ 星の海 解き放つ

希望は幼く 月のように 柔らかで

両の手に包んで 離さないように

散る花はまた咲く


だから僕達は息をする

いつまでも これまでも これからも


硝子真珠に映る世界が光り出す

ソリストが舞っている

降り注ぐ星の雨 奏で出す音色に

絶えない微笑みを贈ろう