080 「シンドローム」

焼け野原で 影踏みした

ひとつふたつ みっつよっつ

消えてゆく影 いなくなる影

火ぶくれを病む ケロイドの子供達


焼け野原で 微笑んでいた

いくつ数えても 消えてゆくから

私もいつか消えて逝くだろう

分かってる


誰を恨むも誰を憎むも意味のない

悟りきったように あの子は笑った

指の焼き切れた右手で

お別れの握手を


宙から吹く風が連れて行ってくれる

遠い星の遠い空の中

死ぬのはきっとすごい冒険だ

ピーターパンは言ってたよね


どんなに世界が変わってしまっても

どんなに世界が歪んでしまっても

笑っているよ 笑っているよ

悟りきったように穏やかに


恨んでも憎んでも癒せはしない


笑ってる 歌ってる ケロイドの子供達

笑ってる 歌ってる ケロイドのあの子達

笑ってる 歌ってる モノクロームの影絵達

笑ってる 歌ってる どこにもない国に行こう