083 「きりんさんのおはなし」

きりんさんがくびをながくしてまっていました

うーんと うーんと ながくしてまっていました

そんなにくびをながくしていると くもにとどいてしまいますよと しまうまさんがいいました

きりんさんはこたえました

くびもながくなりますよ わたしのこどもがみずをのみにいったきりかえってこないんです

しまうまさんはびっくりしました

こどもをひとりであるかせてはいけませんよ なにがこわいものでなにがきけんなものかわからないでしょう

きりんさんはこまってしまいました

ひとりでもだいじょうぶだっていうものですから それに ほんのすこしさきにあるかわにいっただけですから

しまうまさんはきりんさんのなが~いなが~いくびのさきの あたまがどこをむいているのかわからないのでこうこたえました

あなたのながいくびならみえるかもしれませんが わたしにはとんとけんとうがつきません

きりんさんもいいました

わたしもみえるかぎりはみまわしているのですが こどものすがたがどこにもないのですよ

しまうまさんは このそうげんのどのあたりまでみえるのですか とききました

きりんさんは それがあたりいちめんまっしろなきりでおおわれていて まったくみえたものではないのです とこたえました

しまうまさんは それはきっとあなたのくびがくものなかにもぐってしまったんですよ ときりんさんにおしえました

そして きりんさんのこどもがかえってきたのをみつけました

おやおや よかった あなたのおこさんがかえってきましたよ では わたしはこれで

そういって しんせつなしまうまさんはむれのなかにかえっていきました

きりんさんのこどもはいいました

おそくなってごめんなさいな みずばがこんでいて ぞうさんたちのみずあびがおわるまでまたなきゃならなかったのですよ

きりんさんは わがこのすがたをみようと くびをくものなかからおろしました

ああ こんなにそうげんがしたにあるなんて といってきりんさんはすこしきゅうくつそうにしていました

きりんさんのこどもはおかしそうにわらいました

おかあさんったら くびがなが~くなが~くなっていますよ ちぢめないとこのはもくさもたべられませんよ

そうだねぇ さんぽをしていたらなおるでしょう といってきりんさんのおやこはそうげんをあるいていきました