有限の言葉

BGM



「残光列車」

汽笛を鳴らし 真昼色 滴り零す オルムが走る

誰かが描いた 幻想は 焼き増しされて 増殖してく

ひらり閃く 残光で 宙に咲かせた 星形は ゆるり瞬き 朧げに

火花で遊ぶ 香りに煙る 夏の過ぎゆく 間の季節


「地表の風」

雪崩るような瀑布を仰ぎ 舞い来る天にも虹を添える 有機の命が蔓延った 青い光を纏う一滴

大地蝕む真綿の如き 凍てつく解も陰惨な様 日照りを覚えて水を含んだ 木の芽の下に網羅の痕跡

解離する拍 青ざめた夕 日差しの朱に 滲む紫

枝葉に映る光の影を 呼吸する今 風は深く 抉り取るよに大気を薙いだ


「創造的氷雨」

宵の近づく早晩に 踵を返す道の行方 一つ真黒な星がある

光を持たぬ一等星だ 電波を発していると言う それなら多分 あの空は

流動を経て 基へと戻る 言わば流転の一部にある

溶けて砕けた雨雲が 降り注ぐ様を遠く眺めた


「白猫」

シャクナゲの下に猫が居る 生まれて初めて外に出たと 言うて歩いてる猫が居る

其処はずいぶん快適だ サラサラ揺れる花弁に 涼しい気流が吹いてる

お天道様は大分晴れていて 知らぬ間に出来た獣道も 透かして淡く輝いている

夏に差し掛かろうと言う 春野の萌ゆる頃の事


「熱気流」

手を打ち鳴らして 口笛を吹いて 足色を奏でている

木々踊り狂う乱風の園で 雨降らす事を忘れた雲が 風受ける髪を靡かせている

舞うように舞うように 雲のひとひらが形を変えるよう

無限の姿を得て 生まれ変わる

生きている星が 絶えず鼓動を打つように

真珠色の魂を灯して 荒れ狂う大気の下で 声高く謳い上げよう

舞うように舞うように 雲のひとひらと奏でている世界

無限の姿を得ても 失わぬ一閃



「詩文彩文」


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