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時々徒然

頭を悩ませて作るものではない

作曲って言う作品作りをする事において、頭を悩ませたりもします。自分を肯定する作業だけではなく、否定する作業もします。

文章で例えるなら、描写を綿密に描いた小説を、字数制限の問題で間引くみたいな作業です。一時期、否定の作業ばかり続けていました。作曲が嫌いになりました。

否定の作業を続けて行くと、自分の中の引き出しがどんどん減っていると感じました。なので、一度、やり直そうと。

もっと音を知って、その音を構成している形を知って、どのような形があれば人は「心地好い」と感じるのかって言うのを研究し始めました。

僕の作る音も、「良いね」って言ってくれる人はいるけど、やっぱり引き出しが足りなくなって行っているので、自分でもつまらないんです。

音のカオスを作っていた時も、自分は楽しかったし、それを聞いて楽しいと思ってくれる人達も居ました。だけど、それを否定しなければならないんですよ。

そうしないと、次の一手が打てないんです。2年近く動画をアップし続けて、あちこち彷徨い歩いたのですが、カオスであっても、静かな曲でもあっても、「居心地の好さ」と言うのが必要だと。

ずーっと、音に触れていて思うに、人が音楽に何を求めるって言ったら、「居心地の好さ」だと思うんですよ。

それはラウドな音の洪水かもしれないし、静けさを感じるコンピューター音かもしれない。どのような形であっても、「心地好い」と思えるから音楽を聴くんだと。

作った本人が「これはあまり居心地が好くない」って思う音って、やっぱり他人様にも嫌われます。

後から、「なんでこんなに静かな曲を作ったんだろう?」って思っても、その曲の世界観と「心地好さ」があると、その曲はその曲で成り立つんですよ。

なので、少ない手数しかないのに頭を悩ませるのをやめました。ガツガツと音を聞こうと。アニメーションにも凝りたいですけど、アニメーションを凝りたいと思う曲をまず作ろうと。

その曲を作るために、曲を聞こうと。

ご飯を食べないと力が出ないように、咀嚼して飲み込んで吸収してエネルギーにするものが無いと、何も作れないんですよ。

そしてYouTubeで洋楽BGMを聞き始める。曲の構造もすごいけど、ボーカリゼ―ションの「強い感情を表現する力」ってすごいよね。勉強しよう。

沁みるハードロックって良いな。なんでこの世界感を忘れていたんだろう。なんでポップでライトになろうとしてたんだろう。

俺が居心地が好いって思う世界って、「強く美しい世界」なんだな。だから初期の頃は戦闘曲みたいなのばっかり作ってたんだ。

もう俺、ポップでライトじゃないから嫌いって言われても良いわ。俺なりの美学を貫くべし。なんにせよ、人生の時間がないんでね。