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時々徒然

色彩感覚

作曲と執筆の修業ばかりしていて、ないがしろにされていた「視野」への感覚が、最近戻り始めている。感覚と言うか、感動って言うものか。

色彩を「綺麗だ」って思うようになって、「無理矢理綺麗なんだと思おうとしていた焦り」が無くなったのかな。自然と、植物や風景を「綺麗なもの」だとして受け止められるようになった。

それまで収集していた「世界の風景写真集」的な本を読み返したりしている。それは、「平面に描かれた像」ではなく、世界の何処かに存在している美しい風景であると思って観ている。

子供の頃を思い出すと、石灰で出来た街の風景写真集が気に入って、その本を観る度にその場所に「ワープ」できるような気分になっていたが、それに近いものが復活してきた。

自分の撮る写真も、「唯のグラフィック要素」ではなく、「感慨」を持って観ている。ほぼ毎日カメラを持って歩いている割には、シャッターチャンスを見つけられないが。

花や木々や空を撮ることが多い。感動が戻ってくるまでは、「写真素材が必要だから撮りに行くぞ!」って、自分を励ましながら外出していた。

何故自分が植物や空を好んで撮るのかも、よく分かっていなかった。自分の風景の切り取り方を見て思うのだが、「自分のいる場所じゃない所」にワープできる要素を欲していたのだと思う。

今現在の家には、だいぶ長く住んでいて、10年くらいこの家で眠って起きてご飯を食べて作家業をして暮らしている。

今朝、引っ越す夢を見た。家の中の要らないものを処分して、広くて使い勝手の良い家に引っ越すと言う夢。寝ぼけながら考えたが、今の家だって十分便利じゃないかと。

家が狭いと言えばそうなのだが、立地が良いんだ。徒歩圏内に本数の多いバス停があり、勤め先に行くのも困らない。

少し足を延ばすと公園があり、そこで毎年梅の花が咲く。道中の街路樹の根元に小さな花が植えられており、それ等も中々の被写体だ。

足伸ばした辺りにオシャレなカフェとパン工房があり、金銭的に余裕のある時は、そこで雰囲気と少々の飲食を楽しむ。

毎週、買い出しに行くついでにクロワッサンを食べる。バターが使われていて、ぱりぱりしている、ちゃんとしたクロワッサンだ。

歩く体力があるうちは…いや、生涯自分の足できりきりと歩く予定だが、この生活を変える必要はないんじゃないかと思っている。

夢診断を読んでみたら、「引っ越す夢」は、自分を変えたい気持ちとか、自立心を表す夢らしい。因みに、引っ越し先の家は夢に出てこなかった。

変身願望があったり、自分を変えたいと思ったり、よくよく僕は忙しいやつだ。

色彩感覚を取り戻したり、イマジネーションを取り戻したり、自分を変えると言うか、元々の自分に戻って行って居る感覚は十分ある。

ここから、どんな風に成長して行けるかで、いつか僕は服を買いに行く夢も、引っ越す夢も観なくなるかもしれない。