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時々徒然

第二章「地獄の素材集め」

シュガー・アンさんは、とてもイマジネーションの活発な方で、どんな動画にしてほしいとか、どのキャラクターイメージを使ってほしいとか、どんどんアイデアをくれるんですね。

希望としては、「透明感のある植物加工写真」を使って、「IAのキャラクターイラストを描いてほしい」と。

それから、声も少年っぽく加工してほしいと言われて、なるべく調教を頑張ったんですけど、「IA」はジェンダーファクターを操作しても「声の太い女声」になるだけなので、微調節に苦戦しました。

なるべく「普通のIAの声より低め」に作りたかったんですけど、一番聞かせ所のメロは高音域のロングトーンなので、メロディー自体を低くすることは出来ないと。

IAの声が「低く聞こえるようなコーラス」を付けたんですけど、シュガー・アンさんが「高音域のコーラスがついてるイメージ」って言ってたので、低音コーラスだけではなく高音の方も追加しました。

ボカロボイスのコーラスなので、ボイスシンセとかで作るコーラスっぽい自由感はないですね。息継ぎの間とか考えてしまう。

そんなわけで、どんどん出て来るアイデアに出来る限り答えようと、「透明感のある写真に加工できる素材」を集めたり、どうなるかは分からないけどひたすらIAの絵を描いたりしてました。

何せ、季節は冬で、しかも僕は毎年手袋を無くすので今年は手袋を買わない事にしてて、氷雨のぱらつく中を素手でカメラを持って写真撮影をしてたんですね。

手がすぐに冷えて痛くなるので、目で見て「これは良いな」って思ったら、すぐにカメラバッグを開けて数枚写真を撮ってカメラを閉まって、手もポケットにしまうって言うのを繰り返してました。

この時期は夕暮れがまだ早いほうなので、丁度僕が帰宅する頃に、ねぐらに帰るカラスの集団を撮影することが出来るんです。

あの写真に使われている白抜きの鳥は、カラスです。あんなに綺麗に真っ白にできる鳥と言えば、奴等でしょう。

僕は割とカラスには敵意がないので、カラスの近くにカメラを持って近づいて写真を撮ったりもします。

彼等も、「カメラを持っている奴が近づいてくる意図」が分かっているらしく、大人しくモデルになってくれますね。あわよくば何かくれって思われているんだろうなと言う事は察しています。

タイトルが「記憶の千華」なのに、冬はですね、ユキツバキ意外ですね、花が咲いてないんですよ。フクジュソウすら咲いてないんですよ。

でも、リクエストは「透明感のある植物の加工写真」なので、何も「綺麗なおっはな~」を撮らなくても良いと。

「記憶の千華」の英訳を、「Thousand brilliance of memory」にしたんですけど、「Thousand」が「千」で、「brilliance」は「輝き」で、「of memory」は「記憶の」です。

正確には、「memory」って、記憶力とか暗記力とかのニュアンスの「記憶」になるっぽいけど、日本語英語でもメモリーってあるから、別にその辺のニュアンスは良いかなと。

英訳するとはっきりするんですけど、あの曲のタイトルは「記憶の中にある千もの輝き」的な意味なんですよ。だから、輝いていれば「おっはな~」でなくても良いと。

でも、一応花の写真は用意したんですよ。

僕が今回「一番綺麗にできた」と思った加工写真なんですけど、「あなたをふと思ったから」って言うワードが出て来る時に背景に出て来る、セピア色の中に白い枯れた花の影がある写真。

コピペ後に左右反転して透明度調節したんですけど、まるで白い王冠のように見えて。遠目からは、燃え上がる白い炎みたいに見えて。これは良い感じの写真出来たでーって思ってます。

あの写真の原案になった写真は、青白い雪の中にどす黒く朽ちた花の茎が広がっているっていう写真だったんですよ。

シュガー・アンさんからは、「怖い。お化けみたい」って言われてたんですけど、その怖くてお化けみたいな奴が「神々しくなるから」って言うのは説き伏せるより実行して見せました。

色調補正で雪をセピアにしたのも良かったですね。記憶の中の懐かしさみたいなのが表現できたかと。