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時々徒然

猫に愛される

先週あたりの小雨の日に散歩に行った。猫が居た。猫語で挨拶をしてみた。フィーリングがあった。猫は小雨で毛皮が濡れていたので、持っていた手ぬぐいで拭いてあげた。

猫は、「こいつ、あちきのこと、すきなんや!」って思ったらしく、腹を見せてきた。

俺としては、せっかく拭いてあげた背中が地面で湿ってしまうので、近くにあった東屋に猫を連れて行った。

東屋の椅子に座ると、猫は俺の膝の上に飛び乗ってきた。肌寒い日なので、猫をどうにか温めてあげようと、色々模索してみた。

猫は、「あちき、あなたをなかまとみとめるわ!」ってなって、俺の下唇に鼻キスをしてきた。

猫よ…君達と接吻をすると、寄生虫とか移るから困るんだよなぁと、心の隅で思いながら、「よしよし。お前は良い猫だ」と、ひとしきりイチャイチャした。

だが、猫が膝から降りると…ロングセーターの膝に猫のフンがついていた。

猫だし、仕方ないかと思って、さっき猫を拭いた手ぬぐいでフンをふき取った。

猫は調子に乗った。餌を欲しがり始めたのだ。「ニャー!」と言うので、「ご飯?」と聞くと、「ニャー!」と答える。

そこで、猫に「買って来るから待ってて」と言って、歩いて30分かかるペットショップに餌を買い求めに行った。

猫用のおやつカリカリを入手し、戻る頃には雨は本降りになって居た。

俺は厚手の冬コートを着ていたので、雨浸しになることはなかったが、汗が蒸れて不快だった。

東屋に居た猫は、居なくなっていた。

だが、俺はおやつ用カリカリを1食分開け、猫に上げた手ぬぐいの上に置いてきた。

完璧自己満足だが、俺は約束を果たした。烏に食べられたか、さっきの猫がちゃんと発見できるかは謎だったが、猫に好かれるのも悪くはない。

フンさえ付けられなければ…。

俺はあの猫の前で二度と椅子には座らないだろう。

そもそも、また逢えるかも謎である。毛並みが良くて愛想がよくて小奇麗な猫だったので、たぶん飼い猫だ。

金色の切れ長の目をしていて、中々の美猫だった。出来れば、また逢いたいものだ。

フンさえ付けられなければ…。

ちなみに、被害に遭ったロングセーターは家に帰ってから破棄した。

猫にとっては、匂いを付けるのは愛情表現らしいので、最上級の愛情表現をされたわけだが、人間としては嬉しくないこともある。

それから、俺は猫のおやつカリカリを持ち歩くようになった。