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制作秘話



17/07/01発売のボカロアルバム「Wind Words」について



LuNa RhyThmでの音楽制作の進化の歴史です(笑)。

 一番古い曲(1曲目)が、2年くらい前に出来たものです。

あのイントロ、蛇を呼び出す蛇使いの笛みたいな感じがするんですけど、ツインギターの両方が合わさると、そこそこな効果を発揮するんです。

単体で、「てり~てろり~」のところだけ聞くと、ギャグです。2年前はあんな感じのそれこそ不思議な曲を作っていたんですね。


 曲順で紹介すると、2曲目はボカロのIAさんに英詞を歌ってもらいました。「I don't know anybady」って言っています。

発音的には、ネイティブの人に近くしたのと、「I」の「い」の音を、低め短めに設定して歌声的にはギリギリ聴こえるかどうかって感じにしました。

最初は、この曲(2曲目)は初音ミクさんの担当だったんですけど、初音さんは前後の音の高さにつられて発音してほしい低さで歌ってくれないと言う、

ある種の弱点があったので、IAさん曲になりました。

このアルバムの中では、4種のボーカロイドを使って別々の曲を歌わせているんですが、個人的に「同じ歌声が連続で聞こえてくるとなんか変」と、

思う所があり、2曲目の担当が初音ミクさんからIAさんに変わったことから、後のほうに出てくる曲も、担当を少し変えたところがあります。

IAさんとMewさんは違う声だけど、「大人の女声」と言う所は変わらないので、担当を変えても耳馴染みが良かったので収まりがつきました。


 3曲目は音がギチギチなのですが、ノイズゲート(と言う、音をざらつかせる効果)使ったかと言うと、使ってないんです。

あのギチギチした感じは、自然についたノイズなんですよね。たぶんウェブエディタが高いほうも低いほうも音割れするギリギリまで音量を上げているためです。


 4曲目…気軽に作った曲です。これは比較的近年の曲です。GUMI(Megpoid)の声がまた明るい明るい。

1曲目もGUMI曲ですけど、ふり幅あるのによく歌いこなしてくれますよ。おかげで助かっているんですが。

曲自体もポジティブな曲ですね。YouTubeに公開したデモのほうでは、一番意味の無い所を歌わせていますが、他の部分は色々意味深です。


 5曲目のMewさん曲は、本当はYouTube曲にしようとしていたものなのですが、曲を作って行くにあたってCD曲に昇格したものです。

YouTubeが決して格が低いと言うわけではないのですが、出し惜しみたい感じはありましたね。「八色の言霊」ですしね(意味不明)。


 6曲目になりますね。タイトルとか紹介していないけど、大丈夫でしょうか? タイトルは後でまとめてご紹介します。

これ(6曲目)は元々IAさん曲として作ったものです。構造的には、人間っぽい歌なんですよ。イントロの高音が出れば。

告知Movieでは、サビの歌詞を紹介してますね。すごくガッカリさせてしまうかも知れないんですけど、何故歌詞が出て来るのかと言うと、

「画像が足りなかったから」です。結果的には、印象的な文字列になってくれました。


 7曲目のMewさん曲が、この曲集の中では一番新しいものになります。実はこれ、幻の一曲なんですよ。シンセ系の曲なんですけど、ベースとドラムを作って保存して、

ピアノとオルガンを作曲して、ウェブエディタに変換して保存して、スコアエディタを保存しないままウインドウを閉じてしまった…と言う、可哀想な一曲です。

スコアが存在しなくなってしまったので、スコアを復活させるなら耳コピかなー? と思ってるんですけど、弾く予定はないので放置してあります。

この曲も、サビが紹介されてますね。詞に出てくる「シルフ」は風の精霊の名前です。「ミネルヴァ」はローマ神話で千の仕事の女神とされていて、

好戦的な部分がギリシャ神話の「アテナ」と同一視されています(つまり同じ神様だと思われている存在)。

神話は昔から好きでしたから、ギリシャ神話、ローマ神話、日本神話、ケルト神話、コアなのだとクトゥルー神話、その他諸々の神話の本をよく読んでました。

この曲で出てくる「シルフ」達が、歌詞上で何か言ってる部分があるので、アルバムタイトルが「Wind Words」になったんです。

曲のタイトルとアルバムタイトルが別なので、タイトル曲とも言えないしなぁ…と思って、何故かの曲順になったんですよ。


8曲目がようやく初音ミクさんの曲になります。これは「初音ミクDark」版を使ってますね。いつもより少しスローテンポな曲になっています。

Bメロの終わりで「電波星は回る」と歌ってますが、電波星と言うのは、光の代わりに電波を発している星で、実在するものです。

本サビで我ながら良い事を言っているけど、そこはやっぱり出し惜しむんですよね。


9曲目。このCDの中では最終曲になります。8曲目がスローテンポなのに対し、こっちは少し早めのテンポ140(普段は120で作っています)で、

もう勢いで!!と言う念を込めて作りました。実は、グラフィックの作業に追われながら、気分転換に作った曲のうちの1つなんです。

3曲くらい作って、すごく清々しいまでにぶっ飛んだ曲が出来たので、CDのシメに持ってきました。イントロのベースが好きなんですよね。

でも、この曲もGUMI曲なので、ALLリピートすると、結局「GUMIの次にGUMI」になってしまうんですけど、1曲目とは全然曲調の違う曲なので、そのままで良いかと。

この曲も歌詞の一部が紹介されてますね。「全速力で」とか言ってますけど、これは僕のモットーではなく、野生の動物は車で追いかけると死ぬまで走り続ける、

と言う豆知識に由来します。曲的には、GUMIの爽やかさが全速力ですね(笑)。

タイトルと歌詞中のキーワードの「ウィスル」は、口笛のことです。歌詞では日本語発音になっていますが、英語発音では「ホイッスル」に近く発音するようです。

発音表記から察するに、文頭の「h」が発音されないと、「ウィ(ッ)スル」みたいな発音になると思われます。ですがあえて日本語読みで。



「Wind Words」収録曲タイトルと担当ボカロ一覧



1「闇夜のランプ」Song by GUMI

2「月光」    Song by IA

3「タクト」   Song by Mew

4「白昼夢」   Song by GUMI

5「セイレーン」 Song by Mew

6「白雪」    Song by IA

7「ミネルヴァ」 Song by Mew

8「Cyan」    Song by Miku

9「ウィスル」 Song by GUMI



今回のボカロ作曲について



調教を全くしていない曲達です。ああ、全くではないか。9曲目「ウィスル」のベロシティ(発音の強弱)を少し調節した以外は、調教はしていません。

全部、音の高い低いや音の長さで調節してあります。GUMIは少し他のボカロより声が大きいので音量を弱めに、他のボカロ達は、やや強めにしてあります。

伴奏とマスターボリュームも、そこそこ強めです。大体、伴奏は+2.3くらい、マスターボリュームは+5.0です。

ボーカロイド曲は、ボカロが歌ってなんぼだろうと思っているので、伴奏はボーカロイドを引き立てるための音ですね。

夫々の曲へのボカロの選出は、聴いてみて馴染むかどうかと、発音がどうなるかです。

上記にも書きましたが、Mikuこと、初音ミクさんは、「滑らかな発音をする」と言う事が上手な代わりに、「前後の音の影響を受けやすい声」なので、

それをうまく使って英詞を発音させることもできるのでしょうけど、基本は日本語用なんだろう、と言う事が分かりました。

「I don't know anybady」の、「I」が言えなかったのが、IAさんと交代させられた理由ですからね。

音符をどう操作しても、どうしても「I」を普通に日本語で「あい」って発音するので、「ミクに英語歌わせている人達の調教にかける情熱」を垣間見ました。

音符じゃどうにもならない時のために、「調教システム」があるんだなぁと。ちなみに使っているのは「初音ミクV3」です。

幻の一曲と言うと、本当はこのアルバムには10曲目が存在したのですが、パソコンの機能で10曲目と言うものは1曲目と同じと数えられてしまい、

音源から外されてしまうので、9曲入りになったんです。その10曲目がミク曲だったので、結果的にミクの歌は1曲しか出てこない事になりました。

おかげでGUMIの爽やかさが際立つことになったので、怪我の功名かな?