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月々徒然

暖かくなってきました

そちらはお変わりありませんか。ありませんか。それは良かった。こちらは、日々だらけ切っていると常々思っております。恐らく何か話したいのだと思います。

それで、ついついパソコンの画面を開いてしまいます。でも、何も行動しないうちは、報告することも話題に出すことも何もないので、本当に僕は面白くない奴だと思っています。

楽しい話を収集して、楽しい話のコレクションを他人様に閲覧してもらうような、そんな話が出来たら良いと理想を描いていますが、何せ普段は作品のこと以外何も考えていない人物なので、

自分の語る話が、自分には面白くても他人様にはひどくつまらないものかも知れないと言う、ある種の疑心暗鬼を抱えているのです。

つくしが群生している場所を見つけた、と、田舎の人に言っても、「つくしなんてそこら辺にいっぱいある」と言われてしまうのに似ているでしょう。

僕が珍しい、面白い、楽しい、と思うものは、ある人にとってはとても当たり前でつまらないもなのだと言うことは重々承知しております。

それでも、僕は自分が面白いと思う世界を拾い集めて、写真や、本や、時に頭の中の記憶として、コレクションし続けているのです。

生憎、僕は弁舌爽やかで好意的な人間ではありません。唯のおしゃべりの時に、その欠点は露見します。

必死に頭の中で言葉を組み立てて、他人様が聞いてて飽きない程度の的確な説明をして、自分が何を言いたいかを述べた後、話のオチを付けると言う方法を、何度も試しています。

僕の書く小説の中では、登場人物達がたくさんしゃべります。心の中で思っている時もありますが、彼等は非常にコミュニケーション能力があり、雄弁で、感情を隠しません。

読み手に登場人物の心を伝えるため、あえてそのようにふるまわせ居る、とも言えますが、彼等は既に僕の意図など全く無視して、喋り、動き、思い、意見を持っています。

例えば、この日記の中に「霊媒師レミリア」を呼び出してみましょう。彼女は多分自己紹介をしてくれるでしょう。

…数秒待ちましたが、彼女は何故日記の世界に自分が呼び出されたのか分からなくて、茫然としたままでした。

彼女を帰宅させました。暗い部屋の中でベッドから起き上がり、「なんか一瞬変な所に居た」と思っているようです。

レミリアは霊媒師であり予言の能力があるので、へんてこりんな夢をよく観ます。今回、僕が日記の世界に彼女を呼び出した事も、きっとそのへんてこりんな夢の一部だと思っているのでしょう。

すぐに眠りなおさず、彼女は家のキッチンに向かいました。水でも飲む気なのでしょうか。

冷蔵庫を開けました。彼女の目当ては水ではなく牛乳のようです。冷蔵庫の中には、小袋入りのチョコレートも入っています。思わず手をのばしかけ、手を引っ込めました。

自分が減量中であることを思い出したのでしょう。苦い顔をして、牛乳だけ取り出し、冷蔵庫を閉めました。カップに一杯牛乳を注ぎ、パックを冷蔵庫に戻します。チョコレートは見ないようにします。

牛乳を飲んだ後、カップを蛇口の水で濯いで、シンクに残しました。眠りに戻るようです。廊下の足元を、彼女の家のペットが通り過ぎて行きます。

ペット? 物語の中に、そんなもの出てきたっけ? と、僕も思っています。でも、レミリアは当たり前のようにその動物を避けました。

そいつはイグアナのような姿をしていて、無表情で愛想がありません。レミリアがキッチンの扉を開けっぱなしにしていないか確認しに行きました。

この扉をくぐれば、美味しいものをつまみ食いできると分かっているようです。

生憎、キッチンの扉はしっかり閉まっていて、イグアナはお腹をすかせたまま、自分のベッドに戻りました。眠る定位置が分かってるなんて、なんとも賢いイグアナです。

イグアナに気を取られているうちに、レミリアは部屋に戻って眠りなおしてしまいました。今度は呼び出さないので、きっと安眠できるでしょう。

そろそろ僕も眠る時間です。ああ、写真は今日撮ってきた梅の花です。丁度見頃でした。それでは。