LuNa RhyThm official web site

時々徒然

この数日間何をしていたのか/後編

さっきの記事で、「Blue Clear Sky」についてはざっくり語ったので、その他に置いてきぼりにされている「Luna's castle」について、余計な話を語ります。

本当は、音声トークの回で細かい事を語ろうと思って台本も用意してあったんですけど、録音して編集して…って言う時間が取れないくらい大わらわだったので、文字トークにまとめることにします。

「Luna's castle」は、初めて「グリーンバック」を使って、物体にしたオブジェクトを動かしてみたって言う動画ですね。

今使っているソフトには、アニメのセルにあたる、レイヤー機能って言うのがあって、奥のレイヤーに表示した者は奥に、手前のレイヤーに表示した者は手前に、って言う風に、画面を層状にしてアニメーションが組めるんです。

それで、幾つかパターンを用意した背景の中で、グリーンバックを使ってちゃんと形に切り抜いたオブジェクトを動かすと言うのを実行した、初作品です。

音色(伴奏)はファンシーだけど歌詞のメロディーと内容が暗くて怖いので、それを文字起こししたときに怖くならないように、「丸っこくて可愛らしいフォント」を意図的に使っています。

全体の絵の作りもあるんでしょうけど、その文字の丸さのおかげか、なんとなく「少しだけ怖い童話」を観ているような気分に、作った本人はなります。

「Luna's castle」の曲自体はずっと前からあったので、僕としては動画を作ってる時は本当にふざけてたんですよ。

マウスで人間が描けないから、人間の足元が出て来るカット以外は、僕が良く描く猫を登場させたんですけど、猫が「右にはだぁれ? 左にだぁれ? あなたはだぁれ? ワタシハダァレ?」って出て来るなら、その猫達の住んでいる街を襲うお化けも、猫じゃなきゃ! って言うくらいふざけてます。

街の空や城の周りの空に出ている月や星が記号的なのも、あえて「童話風効果」を狙って設えたものです。星が輝いて見えるシーンを作るために、星の白さが強い絵と弱い絵、それから黒い星がかかっている絵を用意しました。

月は全編で下弦の月が掛かっていますが、あれらは少しずつ色味が違うだけで、全部同じオブジェクトです。背景に埋め込んであるものもあるし、動かすために切り抜きにしてあるものもあります。

タイトルが「Luna's castle」だから、安直にお城を描かなきゃなーって思ってたんです。最初は何となくぼんやり思ってたのが、「あ。これ、絶対、しっかりしたお城描かなきゃダメだ」ってなって、「猫にゃーん・発生」のシーンの前と、「猫にゃーん・消滅」のシーンの後にお城が出てくるんです。

このお城も、「暖かい明かりが灯ってて、周りにお星さまがいっぱいあって、なんだか童心がワクワクしてくるようなお城」にしました。だけど、僕が「お城を描かなきゃダメだ」と思った理由は、そこは歌詞中に出てくる「God prisoner(神の囚人)」を捕らえているお城だからなんですね。

あの世界の神様は、「金の林檎」が存在した世界の神様、つまりギリシャ・ローマ神話の神々です。そんな神様達が、「God child(神の子)」であり、「God prisoner(神の囚人)」である存在を閉じ込めているお城は、外から見たら「ぬくもりのある城」に見えるんですよ。

描き上げて、シーンを組んで、文字を起こして、動画を動かして、何度も何度も音楽付きで眺めてから、「ああ、僕がこの動画で描きたかったことってこう言う事だったんだ」って納得が行ったんですね。

どのように納得が行ったのか書いてしまうと、「この動画の見方はこれが正解です」って言う無粋なメッセンジャーに成ってしまうので伏せます。僕の捉えた「Luna's castle」と、閲覧者さん達が読み解いてくれる「Luna's castle」は、全く別物でも構いません。

「Luna's castle」は、本当はちょっぴり怖いLuNaRhyThm童話って言う物かな。