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時々徒然

なんか飼ってます

ここ数日、この文字トークのコーナーの、文章を書くほうを頑張っています。挿絵は時間のある日に一気に描く予定で居ます。たぶん今回描くのも、いつものふざけた猫達なんですけど。

挿絵に猫を描くようになって、その猫達が割と自由に動くようになってから、何か文章の運びも順調なんですよ。辛い時も悲しい時も恨みがましい時も、猫達はぐいんぐいんと猫道を突き進んで行って、時々僕の悲しみや怒りを表情で代弁しながら生き生きと頑張ってくれていました。そしてこれからもそうであるように願っています。

今から変な事を書きますけど、僕は心の中に一匹の猫を飼っています。その猫の名前は時々適当に変わるんですが、大体「猫タロウさん」か「猫谷園さん」に落ち着きつつあります。時々、単に「猫さん」と心の中で呼びかける時もあります。

今回は分かりやすく猫谷園さんと呼びます。猫谷園さんは、普通の猫と同じく、主食はカリカリです。最近のお好みは「鮭味」らしいです。

僕は時々、猫谷園さんの背中を撫でます。エアーで空中を撫でるわけではなく、心の中で撫でるわけです。一般的に言うなれば、「撫でたつもり」になるわけですが、僕の中では心の中で猫を飼うと言う「つもり」ではなく「日常」になっているので、撫でようと思った時に「撫でさせてくれますか?」的なサインを送ると「ええよ」と言われるときと、「あかん」と言われるときがあります。

そうなのです。猫谷園さんは、日本語が分かるのです。普通の猫も人間で言うなら2歳時くらいの知能を持っていて、言語もある程度解するので、僕も猫谷園さんが日本語を理解するのをあまり不自然に感じません。

猫谷園さんは、僕が思考の中で暇をしている時に、なんか知らんけど生き生きと動き回ります。勤めの帰り道とか、布団の中に入って眠る前とか、そう言うあんまり周りを警戒しなくて良い状況で、昼ドラ的な猫劇場を繰り広げてくれます。口癖は、「あちきは青春を奪われた猫…」です。猫谷園さんは元・雄で、去勢をされている設定だからです。

猫谷園さんの、大まかな「設定」は、都内の他の人の家に住んでいた猫で、いつの間にか僕の家にさらわれて来ていて、かどわかされた身の上を憂いたり、元の家と同じ扱いを望んだり、猫谷園さんの額にある「猫谷」で、何かが栽培されようとしたりしています。

なんで額が「猫谷」なのかと言うと、耳が「山」だからです。この辺の設定は単純なのに複雑です。尻尾は何故か「ミドガルズオルムさん」と言う呼称が付いています。

例えば、猫が尻尾を上げて歩いて行く、と言うのを猫谷園さんで表現すると、「猫谷園さんのミドガルズオルムさんが天を示している」になります。文章にしてみると訳が分からないのですが、面白いのでそう呼んでいます。

たぶん、本当は猫を飼いたいし、その猫とそう言う風にじゃれたいけど、実際は猫を飼う余裕も無いし猫の世話をする事も出来ない人なので、心の中で猫を飼う事で気を紛らわしているんだと思います。

そして、猫谷園さんに対する妄想では賄えない(負の)部分の感情を、この文字トークのコーナーの挿絵の猫達に委ねているんでしょう。

すごく寂しい奴みたいな感じだけど、心の中で猫を飼っているだけで満ち足りた気分になる事ができると言う、何か…悟りの境地みたいな方向に進んでいる予感がしています。

老人で言えば、心の中に仏様がいる、みたいな感じで、心の中に猫が居るんですよ。最近、猫谷園さんは、「なー。ねこー」と呼びかけられているので、名前が「菜猫」になりつつあります。

猫谷園さんは、それは自分の事ではなく、猫草のサラダの事だと主張しています。さっき口癖も書きましたけど、心の中の猫なので、日本語が話せるんです。

アンチャッブルゾーンは、普通の猫と同じで、腹と耳です。尻尾の付け根は「触られるとぞくっとしてしまう」ので、都内に住んでいるはずの「ご主人」にしか触らせたくないそうです。中々、貞淑な猫ですね。

永眠する時が来たら、月に行って他の猫達と一緒にご主人を待つ予定だそうです。「へー。そうなんだー」って思いながら、僕は今日も猫谷園さんを心に飼っています。